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畑 健二郎

Vol.119 /2007/02/21

【第115話/心の中に残るもの】

(歌のお兄さん風に)
さぁ、モニターの前の読者のみんなー!
単行本の第10巻は買ってくれたかなー?!

はーい!(モニターの前で大きく返事をして手を上げてください)

おやおや〜?声が小さいぞー?
もっと大きな声で元気よくー、せーの……
単行本の第10巻はー買ってくれたかなーーー?

はぁぁい!(親や隣人が怒鳴り込んでくるくらい大きな声で)

はい!どうもありがとう!


てな感じでこんばんわ。畑でございます。
単行本を買ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
声を出して付き合ってくれた方、さらにありがとうございます。
怒鳴り込んできた隣人や親御さんたち。スミマセン……。

まだ買っていないというそこのあなた!
これから買いに行ってくださるんですよね?! ね?!
本当にありがとうございます。
買いに行ってくれるものと信じています。

そんなこんなでこの漫画も第10巻まで発売され
春からはアニメが始まります。
嬉しかったり感慨深かったりするのですが仕事量が大変な
ことになっていてテンテコ舞いです。
どーまん せーまん 踊りまくりです。

そういえばアニメといえば、先日アニメの監督をはじめ
スタッフさんたち数名と飲みに行きました。
アニメに関していえば今年から僕は毎週アニメの制作会議に
出させてもらっているのですが、かなり親密な感じでやらせて
もらっています。

最初PVを作ってもらっている時、監修といわれても、やはり
気を使うというかどの程度関わって良いものか分からなくて
うーん、どうしたものかと思っていました。

アニメが好きで、そんじょそこらの人より詳しい自信はあります。
が、やはりそこは素人。
現場のよく分かっていない漫画家があれこれ口を出すのは
迷惑だろうなぁと思うじゃないですか。
漫画とアニメは似て非なるメディアだと思いますし、
スケジュールの問題とか、出来ることと出来ないことの
判断もありますし。

しかし監督さんに相談したところ出来るだけ関わって
もらったほうがやりやすいと言われたので、とにかく
良い物になるよう積極的に関わらせてもらう事にしました。

どういう感じに仕上がっているかは放送をお楽しみに!
僕も含めてスタッフ一同、本当に命懸けで作っていますので!

本当はアニメのスタッフさんについてもう少しお話したい
ところなのですが今週はちょっと長くなるので、その辺は
また来週……。

今週は単行本についてちょっとだけお話したいことがある
ので今週の話をする前にまず単行本の話を少し……。

−−−−−−−−−−単行本の話−−−−−−−−−−−

今回の単行本には一部台詞を修正した箇所があります。
まぁ毎回、僕の字が汚いせいで打ち間違えられていたり、
改めて読み直して語感が悪いものを修正したりはして
いるのですが……

それはちょっとした見落としというか思い込みから来たミスです。
それはヒナギクが自分の過去を語るシーン。

ハヤテのごとく!の資料にはエクセルで作った過去年表と
いう資料があります。
少し説明が難しいので、分かりにくい人は実際に
エクセルを立ち上げ表を作ってみましょう。
良いですか?
では行きます。

この年表は設定を間違えないように横列にキャラ名
縦列に年代(2005年、2004年……という具合に)
そして各セルにはそれに対応した各キャラの年代ごとの
0歳から始まる『満年齢』が書かれています。

要するに年代別の年齢早見表みたいなものですな。

そして各キャラ、その年齢のときに起こった主だった出来事が
エクセルのコメント入力機能でそれぞれのセルに記載されています。
(小学校入学だのなんだの)

実はこの年表には落とし穴があることに最近気付きまして……。

それはヒナギクの年表。
実は彼女の両親が失踪したのは設定的に言うと
1995年2月の出来事なのです。
(この1995年とかの具体的な年代は連載開始時からの逆算
なので物語の時代考証的にはあまり意味がないです。
本編にPS3とかWiiとか出てますし……)

そして、この『生まれた年を0歳とする満年齢』で記載されて
いる年表では1995年・6歳のセル欄にその親が失踪した
という出来事は記入されているわけです。

勘の良い方はそろそろお気付きですね?そう、彼女は3月生まれ。
つまり早生まれなのです。
ということは満年齢で記載された六歳のセル欄のコメントに
『両親が失踪』と記入されてはいるものの、その時点で
彼女はまだ五歳だったのです! たとえあと数日で六歳に
なろうとも!

てことで単行本では一部それに伴い台詞を修正しました。
スミマセン……。

まぁ気付いた時点で設定的にはあまり問題がないので
漫画内の台詞にあわせて年表のほうを修正しようかとも
思ったんですがそれをやると、両親がいなくなった時、
雪路はすでに高校を卒業していることになり
『親に借金を押し付けられた可憐な女子高生の
借金返済コメディ』という根本となった未発表の読み切りと
大きくイメージがズレてしまうので、やはりどうしても
動かせず……。
まぁ、可憐とは程遠いですが……。



そして修正といえばこちらは過去最大級。
どことはあえて言いません。
ヒントは第九巻に載っている第十巻の予告です。
よーく、ご覧ください。
アシスタントのS君に頑張ってもらいました。
ありがとうS君。


とりあえずそんな感じで単行本のお話も済んだところで
今週の話なのですが……。


−−−−−−−−−−−ネタバレ−−−−−−−−−−−−


長い間『ハヤテのごとく!』を応援してくださって本当に
ありがとうございました。
来週からは新連載/倉臼征史郎の『ずっと俺のターン』が始まり
ます。……って!違う!

最終回のようですが最終回ではありません。
本当です。
う、嘘じゃないよぉ!来週もきっと載るよぉ!
ていうか来週センターカラーだよぉ!
さらにその次の週もカラーだよぉ!
スケジュール的な意味で載るかどうか不安だよぉ!

ぜーはー……。
それでですね。

たとえばこの漫画が西沢さんがヒロインの少女漫画なら
もう少しいじってこのまま最終回というのもアリだった
かもしれません。
が、そうではないのでまだ続きます。
当然、西沢さんの物語もまだまだ続きます。
むしろ始まったばかりといってもいいかもしれません。

で、まぁ印刷されたものを読み直して思ったことは、
三週じゃなくて四週くらいにすればもう少しゆっくり
話が運べたかなぁと……。我ながら。

シナリオはとっくに出来ていたので、もう少し間を取れば
良かったかも……と我ながら……。
今後は改善していく……予定です。

具体的な内容についてなのですが
この話自体はバレンタインの話をやっていた時点でここに
辿り着く事は決めてあったので楽だったです。

まさかこの話をやるのに丸一年かかるなんて思いません
でしたけど……。
イメージでは2006年の夏には辿り着くと思っていたんだけど
なぁ……。

ヒナギクのときの見開きや今回の見開きなど、この漫画に
おいて見開きは、思い入れの強さを表しているといって
よいでしょう。

今後はもう少しテンポよく!しかし間は取って、チャカチャカ
話を進めていく所存なのでよろしくお願いします。

さてさて、そんなわけでようやく下田に着いた一行ですが
来週はちょっと閑話休題というかなんと言うか……

ちなみに、センターカラーは僕の記憶が正しければ
いまさら初となる組み合わせ。
個人的にはかなり良い出来だと思っているのでご期待ください!!
その次の週のカラーは……今から描きます……。

それではまた来週!